
Miguel Rosales, presidente del PLC
政治アナリストたちによると、野党連合には非常に根深い問題があると指摘しています。それは自由立憲党(PLC)を反政府グループから追い出しただけでは解決しないと思われています。
自由立憲党(PLC)が、内部抗争、指導者問題、独裁的、元大統領アレマンのわがまま、多数の裏切り、などの問題を抱えていることは目新しいことではありません。しかし、その自由立憲党(PLC)が野党連合に悪い影響を与えているように見られがちです。
特に2000年に権力を独占するためにPLCのアレマン元大統領がオルテガと裏取引して以降、PLCの内部抗争が激しくなっていることもあり、PLCの野党国民連合への参加が疑問視されています。
Hagamos Democracia(民主主義を実現させよう)のルシアノ・ガルシア代表は、解決策がないので野党国民連合はPLCを追い出すべきだ、と主張しています。
ガルシア代表は7つある参加団体の一つ”青と白の国民連合(UNAB)”から野党国民連合に参加しています。
しかし、PLCの参加に関しては別の意見もあります。UNAB側の政治学者ホセ・アントニオ氏は、PLC参加を擁護する立場にありますが、それを行なう前に、野党国民連合を結成した市民連合(Alianza Cívica)と青と白の国民連合(UNAB)が政党を引き入れる前にしっかりと政治家の取り扱いを協議しておくべきだったと、反省を述べています。
政治学者ホセ・アントニオ氏:
«PLCを誘うのは、市民連合(Alianza Cívica)と青と白の国民連合(UNAB)が政治的提案に対してしっかり話し合ってから行なうべきであった。つまり、4月の結成時に参加していたこの2グループが合意した後に、政党を招致するべきだったのです。実際はそうならなかった理由は、市民連合(Alianza Cívica)内部にPLCとの関係を利用して交渉を優位に進めようとした者達がいたからであり、大きな間違いでした。»
結果として、野党国民連合内部に明確なリーダーシップが確立されなかったため、7つの組織の間で権力闘争が起こってしまいました。
政治学者ホセ・アントニオ氏によると、市民連合(Alianza Cívica)と青と白の国民連合(UNAB)は数の優位性を利用して、野党国民連合の決定権を握って、«プロセスをリードできると信じていたが、現場で席について議論してみると、政治家たちと市民の代表たちの関心は全く別のものであることが明白になったのです»
政治学者ホセ・アントニオ氏:
«市民の代表は人数はいますが、政治家達を前にしてはどうしても勢力で少数派になってしまいます。政党であるPLCのほうが政治家たちに対して魅力的な提案をすることができますので、押し切られてしまいます。それが危機的状況である理由の一つです。政党を持たない市民集団、政党を拒絶する市民集団、という2つのビジョンがありました。しかし、参加している7つの組織を見てみると、提案のほとんどが政党に有利なものとなってしまっています。»
妥協点はあるのか?
政治学者ホセ・アントニオ氏は、市民代表と政治家たちの両方が歩み寄り、違いを克服する必要があると、指摘しています。
«一緒に行きたいのであれば、妥協するしかない。PLCは古い政治手法を捨てて、誰もが受け入れることのできる選挙改革を提案する必要があります。市民連合には人数はいますが政治的な手法がありません。お互いに妥協点を見つけなければなりません。»
とはいえ、アレマン率いるPLCがサンディニスタとの2大政党制にこだわって、アレマン―オルテガ連合でニカラグアを支配しようとしているうちは難しいのかも知れません。
野党国民連合がPLCを除外した場合どうなるのか?
社会学者のシリオ・オテロ氏は、PLCを追い出してしまっては、PLCが持っている基盤も失ってしまうので、それは間違いだ、と主張しています。
社会学者シリオ・オテロ氏:
«アルノルド・アレマンは裏切り者であり、またオルテガと同盟していて、我々には好かれていないが、彼の政党は国内の様々な地域に社会的基盤を持っていることを考慮に入れなければならない。アレマンのせいだけでPLCを除外するなら 国内の重要な拠点を失うことになる。立憲自由主義に従う人々が国内にたくさんいることを知っていながら、PLCを排除するのは政治的に残念なことだと思う。»
«人類学的には、現代社会は排他的である。最初に言うことは『敵だから追い出せ、追い出してしまえ』であるが、状況を理性的に考える必要があります。»
«PLCの党員たちは、PLCの旗に誇りを持っていて、自分達は間違っていないと思っている。政党と政治思想がアイデンティティを与えるので、切り離すことはできません。»
リーダーシップの問題?
政治アナリスト、フリオ・イカサ氏によると、野党連合が直面している危機はリーダーシップの問題であると指摘しています。
«信頼性、正当性、透明性、誠実さ、問題解決能力、実効力、失敗を認める謙虚さと修正能力に関係してきます。».
PLCミゲル・ロサレス代表:
«野党国民連合内の障害にはなりたくありません»と釈明し、PLCの主張を取り下げても良いと思っていて、結束の問題を回避するためにPLC代表が野党連合から撤退してもいいと考えているようです。
結論:
やはり、野党国民連合結束のカギを握っているのは、自由立憲党(PLC)の動きなのでしょう。
PLCミゲル・ロサレス現党首にどれだけの力があるのか? つまり、アレマン一派を抑え込むことができるのか?ということに尽きると思います。
参考記事:-ニカラグアの反オルテガ勢力は来年の大統領選挙に野党統一候補を立てることができるのか?
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